accueil

最新ニュース


2012年10月10日
> 対仏投資日系企業クラブ:ヴィザ/滞在許可証とフランスにおける集団労使交渉
 
2012年10月1日、対仏投資日系企業クラブが開催されました。この会合は在仏日本大使館、ジェトロ・パリ事務所、在仏日本商工会議所との協力により、対仏投資庁パリ本庁で開かれました。
 
 
フランスは日系企業の投資対象国としては欧州第2位の国です。対仏投資庁長官ダヴィッド アピア氏は開会の言葉で、フランスに長期的な活力をもたらしてくれる日系企業をフランスで大歓迎することを強調しました。日系企業は地域に根付いた、長期的な見地でフランスで活動することに注意をはらっています。フランスは日系企業の人々の言葉に耳を傾け、日系企業の要望にできるだけ応じることができるよう数々の措置を行っています。
 
 
駐フランス日本大使小松一郎氏は日本人の滞在許可証とヴィザの取得期間を短縮したフランス当局の努力を認め、対仏投資庁及びフランスの関連機関にも感謝の意を表しました。また、2012年8月27日に開催された大使会議でフランス大統領フランソワ オランド氏が、日本はフランスにとってたいへん重要な経済大国であり、日仏の協力関係をさらに強化することを願っていると述べたことにもふれました。フランスで成功した日系企業の例は数え切れません。例えば、東レはアキテーヌ地方に新しい工場を建設することになり、6月29日に開かれた建設開始式にはアルノー モントブール大臣とダヴィッド アピア氏が出席しました。小松大使は、フランスと日本の企業には、技術的・地理的補完性があると指摘しました。日系企業は日仏両国の戦略的協力と競争力を強化することができるでしょう。ジェトロパリ事務所所長豊国氏からも述べられたように、フランスは日系企業誘致のためにパフォーマンスの高い設備を用意し、経済的援助を行っています。
 
 
今回のセミナーで最初に開かれたシンポジウムでは、日本人経営者と管理職の人々の国際的モビリティーをテーマに話し合いが行われました。在仏日本商工会議所会長遠藤仁氏は、在仏日本商工会議所関係者に行った対仏投資についてのアンケート調査の結果を発表しました。この調査ではフランスに投資する日系企業にとって従業員とその家族のヴィザ問題はたいへん重要であると考えられていることが確認されました。ヴィザ問題に関してはフランス移民局に専用窓口が設けられたことが特に高く評価されています。2012年8月3日の通達により、この専用窓口はパリ、オー・ド・セーヌ、イヴリン、ローヌ、オート・ガロン、イゼール、ノール、ピュイ・ド・ドームの8つの県に開設されました。移民局での健康診断と従業員及びその家族の滞在許可証の受け取りが一度足を運んだだけで済むようになり、この新しい手続きのおかげで滞在許可証取得期間は長くても6週間となり、以前に比べて短縮されました。フランスに働きにくる外国人経営者と従業員のための情報が掲載されているウェブサイト(www.immigration-professionnelle.gouv.fr)も作成されています
 
 
BCTG&アソシエ弁護士事務所のオーギュスタン ニコル氏が紹介したように日仏間には社会保障協約が成立しております。日本の雇用者はフランスで就労する日本人従業員が日本の社会保険を利用し続けることができるようJF6用紙に記入しなくてはなりません。
 
 
このシンポジウムでは多くの質問がなされ、モビリティー関連の手続きを改善するための解決策を見つけようという努力が感じられました。パイロット欧州支社の事務総部長パスカル ゲイ氏は、フランスの行政管轄局と日本からの赴任者のコミュニケーションがスムーズに行われるよう、移民局に“大使”の役職を設けることと提案しました。
 
 
続いて開かれたシンポジウムのテーマはフランスにおける集団労使交渉でした。これは多くの日系企業が懸念している問題です。Bersay&アソシエのニコラ プチ氏と古庄 佐和子氏は日系企業にとってフランスにおける労使関係は実務的及び法的見地からも複雑に見えることを認めながらも企業にとっては大変役に立っていると述べました。フランスでも従業員代表者たちと経営陣は敵対関係にあるのではなく、協力関係にあると考えるべきです。そう考えることによって労使交渉はスムーズに進み、お互いに柔軟な話し合いができることでしょう。従業員代表には経営陣と協議する義務がありますが、経営陣は従業員代表の意見を全て聞きいれる義務はありません(フランスはこの点で、従業員代表と経営陣の合意が義務づけられているドイツとは異なります)。団体交渉協定のおかげで雇用者には法的例外が認められることがあり、労使交渉にも柔軟性がみられます。また、意外にもフランス人の組合加入率はたいへん低い数字を示しています。
 
 
労働総局の総務課長ヴァレリ− ドゥラエ・ギヨショー氏もフランス人従業員に対する既成概念を打ち払おうと勤めました。実は、フランス人の時間毎の生産効率は欧州全体の平均を上回っています。雇用契約の解消も雇用者と従業員のニーズに応えるよう変わりました。協定に定められた期間限定雇用契約の解消は、行政機関が簡単なチェックを行うだけのシンプルな措置であり、行政機関は契約解消を承認するのみです。
 
この点に関してはニチレイの奥野陽二郎氏が次のような経験を語ってくれました。2010年、ニチレイはフランスのGodfroy社を買収しました。ニチレイはフランス市場には興味を持っていましたが、日系企業の看板だけではフランスに進出するのは難しいと思われたからです。したがって、フランス企業の買収にあたっては具体的なデータでニチレイ本社を説得し、労使交渉はポジティブな要素であることを示す必要がありました。ニチレイはGodfroy社を選びました。ニチレイとGodfroy社の社内の慣習と仕事方法が似ていたからです。ニチレイはGodfroy社の経営陣をそのまま換えず、日本人従業員はフランス人従業員と話しあうために企業運営委員会に出席します。しかしながら会社経営・管理については多少の変更が必要でした。奥野陽二郎氏は「フランス人たちは私達と手をたずさえて一緒にこれらの変更を行ってくれました」と大変嬉しそうに証言しました。Godfroy側のリオネル ゴドフロワ氏も「素晴らしい冒険でした!私は30年前にこの会社を創立しましたが、バトンタッチはスムーズにできました。弊社は今では国際的に活躍する欧州規模の企業になったのです」と熱く語りました。ニチレイ/Godfroy社はフランスで他の会社を買収する計画があり、フランスで上位5位に位置する運送業会社になることを目標としています。
 
 
セミナーの終わりには、対仏投資庁本部のジャパンデスク、利根川聖佳氏が対仏投資庁の使命を紹介し、日系企業の対仏投資の現状について詳しい報告を行いました。日系企業の商業活動はフランスでは大変重要です。42の日系企業がヨーロッパ本社をフランスに置いています。主な分野は電子機器と自動車産業で、2011年において対仏投資国としては日本は第6位、フランスで雇用を生み出した国としては第9位の位置を占めています。利根川氏は「弊庁は日系企業様がフランスに投資して下さることによって両国のつながりが強化されると確信しておりますし、これからもそのお手伝いを致します。」と述べてセミナーを締めくくりました。日本とフランスのパートナー関係がこれからもさらに発展することが予想される結論でした。
 
記事を共有する